【朝ドラのころ】若村麻由美（３）津島恵子さんに教わった夏でも汗をかかない“極意”

憧れの大先輩である津島さん（左）と共演した若村。真夏の撮影でも汗をかかない秘けつを教わった【拡大】 　夫役の渡辺徹さんは大変面白い方でした。朝ドラ放送中に榊原郁恵さんとご結婚されたのですが、結婚が決まったときスポーツ紙さんの１面に「渡辺徹、ダイエット」という記事が出ていて「えっ、ダイエットで１面に載るってすごい！」と思いました。　撮影中は毎日、「俺は昔はこんな体じゃなかった。すごく格好よかったんだ」とおっしゃって、その頃の写真を持ってきてくださるんです。そして毎日、「約束」（「ザ・ベストテン」で４週連続１位を獲得した渡辺の代表曲）を生で歌ってくださるのですが、「ちょっとせりふを覚えさせてください」と思うときはありましたね（笑）。　本当に共演者の方に恵まれました。私は段取りでせりふを言うことが苦手で、何回やってもせりふが出てこないときがありました。ＮＨＫの方は、カメラワークとかいろいろ考えていらっしゃるのですが、そうすると役としてすごく不自然なことをやらなければいけなくて、思考停止状態になってしまったんです。　私が何もできないでいると、父親役の井川比佐志さんが「翠（役名）、いいんだ、それで。適当に合わせてせりふを言うなんてことはしなくていい」と、皆さんに聞こえるようにおっしゃってくださって…。それでＮＨＫの方もヒロインの気持ちを考えて撮るスタイルにしてくださいました。　お父ちゃんの言葉は涙が出るほどうれしかった。役者として段取りに合わせなければいけないことはありますが、それが一番ではないと教えてくださいました。役者を続けさせていただいている今でもそう思います。 【続きを読む】