ミナミ通り魔殺人１２月判決　最高裁、無期維持の公算

　最高裁第１小法廷（小池裕裁判長）は１日までに、大阪の繁華街・ミナミで２０１２年、通行人の男女２人を無差別に刺殺したとして、殺人罪などに問われた無職礒飛京三被告（４４）の上告審判決を１２月２日に言い渡すと決めた。最高裁が二審の結論を変更する際、弁論を開くのが通例だが、今回は開かない。一審裁判員裁判の死刑判決を破棄し、無期懲役とした二審判決が維持される可能性が高まった。　裁判員裁判の一審死刑判決が二審で破棄されたケースはこの事件を含めて５件あり、ほか４件はいずれも最高裁で既に無期懲役が確定している。　事実関係に争いはなく、弁護側は覚醒剤中毒の後遺症で犯行当時、「刺せ」という幻聴を聞いていたとして心神耗弱状態だったと主張。刑事責任能力の程度と、量刑判断が争点となった。　一、二審判決によると、被告は１２年６月１０日、大阪市中央区東心斎橋１丁目の路上で音楽プロデューサー南野信吾さん＝当時（４２）＝を包丁で刺して殺害。騒ぎに気付いて逃げ出した近くの飲食店経営佐々木トシさん＝同（６６）＝も刺殺した。