植松被告、謝罪直後に“暴れる”　「相模原４５人殺傷」初公判

横浜地裁で開かれた初公判に臨む植松聖被告（イラストと構成・勝山展年）【拡大】 　相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で２０１６年７月、入所者ら４５人が殺傷された事件で、殺人罪などに問われた元職員、植松聖被告（２９）は８日、横浜地裁の裁判員裁判初公判で起訴内容を「（間違い）ありません」と認めた。弁護側は「事件当時、精神障害があり、心神喪失か心神耗弱」と無罪を主張した。　黒のスーツ姿にサンダル履き。事件直後の金髪から変わった黒い長髪を後ろで束ね出廷した植松被告。弁護側の無罪主張後、「皆さまに深くおわびします」と謝罪。その直後、両手を口に当ててうめき声を上げ、体を激しく揺らした。廷内が騒然となる中、青沼潔裁判長が退廷を指示。公判は被告不在で続けられた。　冒頭陳述では、動機とみられる「意思疎通のできない人を殺した方がいい」という被告の差別発言を巡って主張が展開された。検察側は「園での勤務経験を経るうちに、入所者は不幸を生み出すのでいらないと思った。正常心理の範囲内」と強調。弁護側は「被告は大麻精神病により本来の人格ではなく、別人になった結果、事件が起きた」と訴えた。　検察側は犯行計画の概要についても説明。「職員が少ない夜間に犯行を実行する」「（職員拘束に体力が必要と考え）ムエタイのジムを利用し、報道された際に信用してもらうには見た目が良い方がよいと考え、美容整形をした」と明かした。１９人の死者を出した事件の公判は、判決まで２０回の審理が行われ３月１６日に判決が言い渡される。相模原障害者施設殺傷事件　２０１６年７月２６日未明、相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で、入所者１９人が刃物で刺され死亡、職員２人を含む２６人が重軽傷を負った。逮捕された元職員の植松聖被告は横浜地検の鑑定留置の結果、「自己愛性パーソナリティー障害」などと診断されたが、地検は完全責任能力があったと判断。１７年２月に殺人など６つの罪で起訴した。