任天堂、紹介予定派遣の直接雇用を拒否　女性２人が提訴へ

　正社員に採用することを前提にした「紹介予定派遣」だったのに不当に直接雇用を拒否されたとして、任天堂の派遣社員だった２０代と３０代の女性２人が、同社側に社員としての地位確認などを求め、８日にも京都地裁に提訴することが３日、分かった。　原告弁護団によると、紹介予定派遣の雇用拒否を巡る訴訟は全国初という。２人は２０１８年４月から産業保健師として勤務。同１０月に正式採用される見込みだったが、産業医と円滑な協力態勢が構築できなかったとして、人事担当から直接雇用しない方針を告げられた。　２人は業務上の行き違いが原因で産業医が呼び掛けを無視したり、必要な指示をしなかったりするパワハラがあったと主張。任天堂がパワハラを放置し、２人を排除したと訴えている。　紹介予定派遣は、採用を前提に一定期間派遣社員として働き、本人と派遣先が合意すれば直接雇用される労働者派遣法に基づく制度。任天堂は派遣前に２人と２度面接しており、原告弁護団は「実質的に採用活動をしており、不当な理由で直接雇用を拒否する姿勢は極めて問題だ」としている。　任天堂は「弊社の主張を認めてもらえるよう、主張立証に努めてまいりたい」とコメントした。