世界三大映画祭に数えられる第77回ベネチア国際映画祭の授賞式がイタリアで12日夜(日本時間13日未明)に開かれ、「スパイの妻」(10月16日公開)の黒沢清監督(65)が銀獅子賞(監督賞)に選ばれた。日本人の同賞受賞は、2003年の北野武監督(73)以来17年ぶり5人目。主演女優、蒼井優(35)らも含め、コロナ禍で現地入りを断念していたが、日本で吉報を受けた黒沢監督は緊急会見し、「長い間、映画に携わってきてよかった」と感激した。
世界が注目するベネチア国際映画祭の授賞式。審査員長の女優、ケイト・ブランシェット(51)が晴れやかな表情で「Kiyoshi Kurosawa 『Wife of a Spy』(英題)」と監督賞を発表した瞬間、ソーシャルディスタンスで着席したマスク姿の関係者から称賛の拍手が鳴り響いた。
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ケイトも納得の拍手を送ると、日本からのビデオメッセージでスピーチした黒沢監督は「大変驚き、言葉では言い尽くせない喜びを感じています」と海外に認められた快挙をかみしめた。
日本人の銀獅子賞受賞は2003年の北野武監督以来、17年ぶり5人目。1954年に「七人の侍」で黒澤明監督が初受賞。さらに2度受賞した溝口健二監督、熊井啓監督ら巨匠が続いた。
「スパイの妻」は、太平洋戦争前に偶然恐ろしい国家機密を知り、正義感から世に知らせようとする夫婦(蒼井と高橋一生、39)を描くサスペンス。今回、最高賞・金獅子賞を競うコンペティション部門に出品され、世界の18作品から銀獅子賞に選出。同賞には審査員大賞と監督賞があり、金獅子賞に次ぐ栄誉となる。
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