岸部さんが、波乱万丈の人生の幕を閉じた。69年、ザ・タイガースのメンバーだった兄・一徳の誘いでザ・タイガースに加入。ステージでは司会を担当し、軽妙なトークでも人気を博した。71年の解散後は俳優に転向。78年には日本テレビ系ドラマ「西遊記」に沙悟浄役で出演し話題となった。
84年には日テレ系ワイドショー「ルックルックこんにちは」の司会に就任。13年半に渡って司会を務めた。
司会業と平行して実業家として事業も展開。バブル最盛期の88年には会員制のヘリコプター運航委託会社や、ディスコ、外国車販売会社などを経営。ギャラは年間1億2000万円とも言われた。
しかしその後、事業の失敗や、浪費癖により98年4月、不渡り手形を出したことが原因で「ルック―」を降板。5億2000万の借金を抱えて自己破産した。人気司会者の転落劇は当時、世間の注目を集めた。
自己破産後は「借金王」としてバラエティー番組にたびたび出演。「俺は元・金持ちやぞ!」などと自虐ギャグを連発し、お茶の間の笑いを誘っていた。報知新聞社