【画像】「ビンタくらいしちゃえばとか言われたけど……」花さんのLINE
木村花さんは番組内での言動をめぐってSNSで誹謗・中傷にさらされ、5月23日に自ら命を絶った。母・響子さん(43)は週刊文春7月9日号で「テラスハウス」スタッフによる“やらせ”があったと告発。ネットで激しい非難を受ける原因となった同番組の第38話「コスチューム事件」で、花さんが番組スタッフから「ビンタしたらいいじゃん」と指示を受けていたことを明かし、指示を裏付ける花さんのLINEメッセージを公表した。また、共演者、スタッフも「週刊文春」の取材に対し、番組のやらせを認めた。
母・響子さんは、38話を通じて娘・花さんが共演者に対して帽子をはたく凶暴な悪役という虚像が本当の人格として視聴者に結びつけられ、SNSの炎上が生まれたと主張。7月15日、番組によって人格権を侵害されたとBPO放送人権委員会に申し立てを行った。一方、フジは7月31日にホームページ上で検証報告を公表、「制作側が出演者に対して、言動・感情表現、人間関係等について指示、強要したことは確認されませんでした」とし、“やらせ”問題を否定していた。
BPO放送人権委員会は昨日15日の委員会を開き、審理入りを決定した。
「通例であれば、BPOは審理入りを判断する前、双方に対して3カ月間の交渉期間を設けることになっている。奥武則委員長(法政大学名誉教授)が早期審理入りを主張したことから、今回は申し立てから2カ月で異例の“スピード審理入り”となりました」(放送関係者)
響子さんは、「週刊文春」の取材に対し、次のようにコメントした。
「フジは社長会見で遺族感情を踏まえながら検証報告を公表すると言っていましたが、私に連絡なく『聞き取りの協力を得られなかった』と報告書に一方的に記し、とても困惑しました。フジの検証では、花が遺したやらせを訴えるLINEの証拠や共演者によるやらせ証言について何ら調査を行っていません。これまでのフジの不誠実な対応や、やらせをめぐる認識の隔たりがあまりに大きいので早期の審理入りを求めていました。今もSNS上で『木村花のせいで(配信終了した)テラハが見られなくなった』という投稿を目にし、リアリティ番組が持つ影響力の強さを感じています。花の名誉回復のため、そして二度と同じ悲しいことが起きないようにするためにもBPOには公平かつ正当な審理を求めます」
リアリティ番組をめぐっては、8月にも別の番組の出演者が自殺するなど、SNSの誹謗中傷と隣り合わせの番組作りが社会問題化している。BPOの審理の行方が注目される。「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年9月24日号