コンサートは4部制で約30分。1万人以上の応募から抽選で各部1人(4部のみペア2組)が招待され、1632席の中央前部の“特等席”で歌声を独り占めした。
自身初の試み。企画の経緯について、Toshlは「『今だからできない』じゃなくて、『今だからできる』ことは何かをずっと考えてきた。推しのアーティストがいて、ファンだったら何をしてほしいかを考えた時、僕のためだけに歌ってほしい―。そういう発想が生まれました」と説明。「人数制限のある中、1人のためだけに歌う。逆転の発想です。自分がしてほしいこと、(コロナ禍の)今の時期だからこそ自分がしてみたいこと、それがたった1人だけのコンサートに行き着きました」と話した。
チケット価格は1人3万円(税込み)。採算を度外視してでも実現させたかったのは、閉塞感漂うコロナ禍にあって「一歩前へ踏み出すような明るい、勇気付けられることを発信、実践していきたい」という思いから。Toshlは「こんな機会はめったにない。僕もワクワク、ドキドキを感じていた。もしかしたら最初で最後かもしれない。最終的には『やらせてくれ!』と説き伏せました」と熱く語った。
観客を前に歌うのは、1月のディナーショー以来8か月ぶり。「ようこそ、たった1人だけのコンサートへ。僕も緊張しています。短い時間ではありますが、ぜひ堪能していってください」とあいさつ。「マスカレイド」をピアノ弾き語りで歌い上げると、自身がセレクトした2曲と、事前に通知された歌唱候補曲(10曲程度)から来場者がリクエストした2曲を披露した。
都内在住の会社員の男性(46)は「夢心地です。この先、2度とないこと。一生の宝物になりました。幸せな楽しい時間でした」と喜びを爆発。「値段は関係ない。Toshlさんのファンからしたら(3万円は)高くはない」と話した。報知新聞社