東京証券取引所の宮原幸一郎社長は1日、全株式の売買を同日朝から終日停止したことについて記者会見し、「投資家の皆さまに多大な迷惑をかけたことを深くおわびする」と謝罪した。東証がシステム障害で取引を終日停止するのは初めてで、世界的にも異例。信頼低下は避けられず、日本を国際金融センターにする政府構想にも大きなマイナスとなりそうだ。システムを運用するハードウエアの故障が原因で、機器を交換し2日朝から通常通り取引を再開する予定としている。
金融庁は1日、金融商品取引法に基づく報告徴求命令を近く出す方向で検討に入った。詳しい原因究明と再発防止策などを求める。
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東証によると、障害は1日午前7時4分に発生。機器が故障しバックアップへの切り替えが正常に行われず、相場情報の配信やシステムの監視ができなくなった。再開に向けシステムを再起動すれば、投資家や市場参加者の混乱を招く恐れがあるとして、終日売買を停止することを決めた。
宮原氏は「責任を痛感している」と述べ、原因の徹底究明と再発防止策に万全を期した上で「経営責任の明確化を果たしたい」と話した。