スウェーデンの王立科学アカデミーは6日、2020年のノーベル物理学賞を、ブラックホールの研究で成果を上げたロジャー・ペンローズ英オックスフォード大名誉教授(89)ら欧米の3人に授与すると発表した。
他の2人はラインハルト・ゲンツェル米カリフォルニア大バークリー校名誉教授(68)とアンドレア・ゲズ同大ロサンゼルス校教授(55)。
ペンローズ氏はアインシュタインの一般相対性理論を基にブラックホールが形成されることを理論的に証明。ブラックホールの中心には密度が無限大で通常の物理法則が成立しない「特異点」が存在することを1965年に示した。
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ゲンツェル氏とゲズ氏はそれぞれの研究チームを率い、90年代から2000年代にかけ、地球を含む銀河系の中心部を観測。星の動きから中心部に太陽の約400万倍の質量を持つ天体があることを見つけた。その正体はブラックホールであると考えられている。ブラックホールの存在は、アインシュタイン自身も否定的だった。
日本も参加する国際チーム「イベント・ホライズン・テレスコープ」が世界で初めて、地球から5500万光年離れた銀河のブラックホールの姿を捉えて19年に発表、存在を証明した。ゲンツェル氏らが観測したブラックホールの撮影も目指している。(共同)