米航空宇宙局（ＮＡＳＡ）は２０日、“米国版はやぶさ”とも呼ばれる探査機オシリス・レックスを、地球や火星の軌道の近くを回る小惑星ベンヌに着陸させることに成功した。６０グラム以上の入手を目標に、岩石の採取も実施。作業は計画通りに進んだため、岩石を得た可能性が高いとみられる。１週間から１０日ほどで採取の成否や入手量を確認し、２０２３年９月に帰還する。
小惑星の試料採取は米国では初の試み。小惑星には太陽系の成り立ちや生命の起源を探る手掛かりがあるとされ、岩石の分析で謎の解明を目指す。日本のはやぶさ２は今年１２月、一足先に小惑星りゅうぐうの岩石を地球に持ち帰る。日米で交換し、互いに調べる予定。（共同）
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日本の探査機「はやぶさ２」計画に参加している杉田精司東京大教授（惑星科学）の話「運用の手順も全て予定通りで、目標地点から１メートル以内の場所と完璧な着陸だった。小惑星ベンヌは岩が多く、降りるのが難しい天体。探査機オシリス・レックスが試料を採るには、なるべく細かい砂の粒が多いところを狙う必要がある。今回は目指していた細かい粒の多い地点に着陸できたので、目標を大きく超える量の試料の獲得が期待できるのではないか」