ＪＲ、人身事故のやじ馬に「モラル問う」　複数人がブルーシートにスマホ突っ込み撮影

　ＪＲ新宿駅（東京・新宿区）で２日に起きた人身事故で、救出作業のために現場を覆っていたブルーシートの下部から内側にスマートフォンを差し込んで撮影しようとするやじ馬が複数いたことが３日、ＪＲ東日本への取材で分かった。駅員はアナウンスで「お客さまのモラルに問います。スマホでの撮影はご遠慮ください」と繰り返す異例の呼び掛けをしたという。　ＪＲ東や警視庁新宿署によると、２日午後７時１５分ごろ、山手線の外回り電車と線路脇に横たわっていた男性が接触し、男性は死亡した。男性は白杖を持ちホームで乗車を待っていたが、電車の入線直前、自ら線路に下りる姿が目撃されており、同署は自殺を図った可能性があるとみて調べている。　また、同署は３日、死亡した男性の身元を会社役員、石井宏幸さん（４７）＝東京都豊島区＝と確認したと明らかにした。石井さんは全盲で、ブラインドサッカーの元日本代表選手。過去には日本ブラインドサッカー協会の副理事長として競技の普及にも尽力した。視覚障害者のホーム転落事故を防ぐ啓発活動にも携わっていた。