鹿児島大などの研究チームは25日、鹿児島県から沖縄県にかけて広がる南西諸島で見つかった2種のゴキブリが新種と判明したと発表した。国内での新種発見は35年ぶりで、多様性の解明に一歩近づいたとしている。日本動物学会が発行する同日付の学会誌(電子版)に掲載された。
鹿児島大農学部の坂巻祥孝准教授が2005年、鹿児島県・宇治群島の家島で初めて採集。青みがかった光沢のある羽に鮮やかな三つのオレンジの紋が入った種を「アカボシルリゴキブリ」、紫色の腹部と羽の薄いオレンジ色の帯模様が特徴の種を「ウスオビルリゴキブリ」と命名した。いずれも体長12~14・5ミリ。
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当初から新種との見方はあったが特定に至らず、19年からDNA解析を進めて特定。これまでの研究で、アカボシは宇治群島とトカラ列島の一部、奄美大島、徳之島に分布し、ウスオビは沖縄県の与那国島にのみ生息していることが分かった。森林の朽ち木の中などで生活し、人間の生活圏に出入りすることはないという。
いずれも遅くとも100万年前に東南アジアや台湾から南西諸島に渡って分化した種とみられ、坂巻准教授は「進化の過程を解き明かす鍵になる」と話している。