【朝ドラのころ】若村麻由美(1)まさかのヒロイン合格、仲代達矢に相談した「どうやって断ればいいですか」

【朝ドラのころ】若村麻由美(1)まさかのヒロイン合格、仲代達矢に相談した「どうやって断ればいいですか」
朝ドラで役者人生のスタートを切った若村(左)。平淑恵ら共演陣に支えられ、女優の階段を一つずつ上がっていった【拡大】  NHK連続テレビ小説の歴代ヒロインに迫る大型連載「朝ドラのころ」の10月は、1987年度後期の「はっさい先生」に主演した若村麻由美(52)。無名塾の養成期間中に思いがけず受けたオーディションで選ばれ、朝ドラで女優デビューした。図らずも映像の世界に足を踏み入れた新人は、大阪の中学校で奮闘する江戸っ子のヒロイン同様、幾多の困難を乗り越えて成長。役者人生の幕開けとなった異色の“シンデレラストーリー”を全5回にわたって語り尽くす。 朝ドラは人生が大きく変わった作品です。最近は、比較的すでにお仕事をされている女優さんがヒロインになりますが、私の頃はまだ新人を発掘する時代でした。 オーディションを受けたのは20歳の頃。当時、私は(仲代達矢主宰の俳優養成所)無名塾の養成期間中。自分の意思にかかわらず全員の履歴書がNHKに送られていて、書類審査が通ったから行ってらっしゃいと言われ、よく分からないままみんなに付いていきました。 私は無名塾の舞台にひかれ、その演劇空間を作りたくて入塾したので、女優はもとより映像の仕事をしたいとは思っていなかったんです。だから、当時の私は朝ドラに受かったこともピンと来ず、むしろマイナスに感じていました。無名塾であと1年勉強する時間が与えられているにもかかわらず、撮影のためにNHK大阪に行かなくてはいけなかったので。 そこで、仲代さん、宮崎恭子さんご夫妻に「どうしたらよいでしょうか?」とご相談に上がったわけです。つまりそれは「どうやって断ったらいいのでしょうか?」という意味での相談でしたが、仲代さんは「それはとても大きなチャンス。良かったね」と。そう言って喜んでくださったときに「あ、これは良かったことなのかぁ」とうっすら思いました。 【続きを読む】
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