「20世紀最後の巨匠」と呼ばれたバイオリニストで、東日本大震災のチャリティーコンサートなど来日公演を多く行ったイブリー・ギトリスさんが24日、居住地のパリで死去した。98歳だった。フランスメディアが伝えた。死因は明らかにされていない。
1922年、現在のイスラエル北部ハイファ生まれ。幼少期からバイオリンの神童と見なされ、11歳でパリ音楽院に入学。2年で卒業した後は、ジョルジュ・エネスコやジャック・ティボーら伝説的バイオリニストにも学んだ。
第2次大戦後に本格デビュー。50年代に米国で有名指揮者らとツアーを重ねたほか、55年にはイスラエル出身のバイオリニストとして初めてソ連で公演。技巧に優れ、独自の解釈による演奏で知られる。20世紀に活動した作曲家のベルクやバルトークらの作品の演奏は高く評価された。
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親日家で、東日本大震災後、海外の演奏家が日本公演をキャンセルする中、来日してコンサートを開き、避難所でも演奏した。震災の津波のがれき木材で作ったバイオリンも奏でた。