国民的アイドルグループ、嵐が2020年大みそかで21年の活動にいったん区切りをつける。5人の軌跡を追った連載の第2回は、世間をあっと驚かせたデビューを飾りながらも停滞期を迎えた彼らが、どうやってブレークを果たしたのか。苦悩と努力、成長を重ねた“夜明け前”を振り返る。
ハワイから華々しく船出した嵐だが、デビューから数年間は突き抜けることができずにいた。
ジャニーズアイドルは1位が当然という風潮の中、デビュー曲から2作連続1位を獲得後は、首位に立てない楽曲も。コンサートの集客が振るわず、2階席後方が黒幕で覆われることもあった。
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ジャニーズJr.の人気者で舞台でも共演した相葉雅紀(38)、二宮和也(37)、松本潤(37)は気心が知れた仲だった。ただ、慶応ボーイの櫻井翔(38)はJr.の中でもとんがった存在。京都で舞台を中心に活動していた大野智(40)は結成まで4人と交流さえなかった。
リーダーも不在だった。少年隊の番組に出演した際、東山紀之(54)から「ここで決めた方がいい」と促され、しっかり者の櫻井と最年長の大野がジャンケン。勝った大野がしぶしぶ就任した。バックグラウンドが異なる5人は最初から一枚岩ではなかった。
転機は2001年。9都市29公演を回った初の大規模ツアーで2カ月同じ釜の飯を食い、初冠番組「真夜中の嵐」(日本テレビ系)を持ったことで距離を縮める。松本は「とても協調性があるグループなのでけんかしたことがない。楽屋にたくさん椅子があっても一緒のソファにみんなが座りたがる」と話すほど仲を深め、雰囲気の良さは嵐の魅力になっていった。
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