地震にも荒天にも負けない! 仙台発上野着のJR常磐線の特急ひたち22号が16日未明、約8時間遅れで到着した。13日の地震で東北新幹線の一部区間が不通になり、代替で仙台から運行。15日午後の悪天候の中、車内では飲料や食料を配布して覚悟の発車。乗務員が受験生がいないか声掛けをして回るなど細やかな対応で、SNSなどでは感謝の声が上がった。
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在来線特急の“踏ん張り”に、称賛が寄せられた。乗客には受験生もいたとみられ、SNSでは「おかげで受験地である東京まで行くことができ無事に受験することができました」と感謝する書き込みがあった。
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JR東日本水戸支社によると、「ひたち22号」は本来、いわき-品川を結ぶ特急。しかし、震度6強を観測した13日の地震で東北新幹線は一部区間運休となったため、15日から始発駅を仙台にして仙台-いわき間は臨時快速として運行した。
15日午後1時57分発の予定だったが、低気圧の影響で宮城、福島両県は悪天候。しかし「お客さまから『どうしても東京に』という強い要望があった」(同支社)ため、約4時間遅れの午後5時55分に出発した。
乗客は約200人。車内アナウンスでは東京到着が16日になる可能性があることを告げ、ペットボトルの水と缶詰の乾パンを無料で配布した。
予想通り、途中で雨や風が社内規定値を上回った。風は毎秒20メートル以上で徐行、同25メートル以上は運行見合わせで徐行と停車を繰り返した。途中の原ノ町、いわきでも水、パン、マスクを配布した。
上野にたどり着いたのは16日午前2時38分。本来は15日午後6時37分に着くはずだった。到着時の乗客は約220人。到着後もおにぎりとお茶がふるまわれ、午前4時45分頃まで“列車ホテル”として乗客に開放した。
運行中、乗務員が気にかけたのが受験生。「乗り継ぎ案内などのために車内放送で申し出てほしいと呼びかけ、乗務員が車内を回った際も声を掛けた」(同支社)。遠慮もあったのか申し出はなかったというが、JRの温かい対応とプロとしての運行に、SNSには感謝の声があふれていた。