歌舞伎俳優、市川海老蔵(43)が、3月5日から始まる巡業公演「古典への誘い」を前に本紙などの取材に応じた。5人の盗賊を描く「弁天娘女男白浪」では弁天小僧菊之助役を5年ぶりに披露。思い入れのある演目で、長女で舞踊家、市川ぼたん(9)と長男の堀越勸玄(7)に「見せたい」と笑顔を見せ、歌舞伎界の将来に思いをはせる場面も。父として、師匠としての思い、コロナ禍で得たことなどを語り尽くした。
今月3日が命日だった父、十二代目市川團十郎さん(2013年死去)が設計に携わった石川・こまつ芸術劇場うららを皮切りに全国14カ所を回る「古典への誘い」=別表。同地には、お家芸「勧進帳」の舞台・安宅の関があり、團十郎さんが子供に歌舞伎を指南した場所でもある。海老蔵は縁の地からのスタートに「父が喜ぶだろうな」と感慨深げな表情を見せた。
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上演する人気狂言「弁天娘女男白浪」の弁天小僧菊之助役は5年ぶり。「若い時に今の音羽屋、七代目尾上菊五郎のおじさまにやりたいのでと話して直に教えていただいた、市川家の芸以外で思い入れのある演目」だ。
「浜松屋見世先の場」で、娘に化けた弁天小僧が男の正体を現す際の名ぜりふ「知らざあ言って聞かせやしょう」を自宅で練習していると、勸玄もまねをすると告白。
そうして引き継がれる芸に目を細める一方、「彼が大人になったときに同じ環境で歌舞伎ができるかという問題が重要。彼が40歳のときに今の環境があるかといったら7対3くらいで変わるわけだから。彼がどう感じ、僕がどう考えるかだと思う」と親として、師匠として未来に思いをはせた。
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