その他の写真(1/3枚)
クーデターで実権を握った国軍による市民弾圧が続くミャンマー情勢に、東京五輪のホストタウンでも動揺が広がっている。埼玉県鶴ケ島市では事前合宿時に食文化交流会などを活発に行ってきたが、コロナ禍で交流は中断し2月以降は同国の政情不安で連絡も途絶えた。同市で交流の中核を担ってきた人々は、“ホストタウン料理”を活用してミャンマー市民を陰から応援していく。
心が痛む。デモに参加した市民の犠牲が増えていくばかり。ミャンマーのホストタウン、埼玉県中部の鶴ケ島市で中華料理店を営む田村義明さん(43)は、表情を曇らせた。
googletag.cmd.push(function() { googletag.display('div-gpt-ad-Rec_Article'); });
「交流会で出会った人たちが、母国で苦しんでいる。もう東京五輪どころではないのでは…。五輪が開催されても(選手団は)日本にはほぼ来られないだろうとも想定し始めています」
人口約7万人の鶴ケ島市では1980年代から同国の留学生らを支援してきた縁があり、2017年にホストタウンとして登録した。田村さんら飲食店関係者たちはホストタウン事業の一環で、選手団が事前合宿で訪れた際に同国の食材を活用した新メニュー“ホストタウン料理”をふるまうなど、食文化交流会を活発に行ってきた。
「選手たちは料理の写真を撮ったりして喜んでくれた。純粋な目をしていた」と、和菓子店店主の横井信行さん(49)。コロナ禍で五輪が1年延期となったことは「交流の期間が1年増えた」と前向きに捉えた。だが、2月のクーデター発生は交流も遮断した。
【続きを読む】