東芝が、英投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズによる買収提案を拒否する方向で調整に入ったことが15日分かった。株式上場を取りやめる非公開化を前提としたCVCの買収案に対し、東芝幹部は大手銀行に「上場は絶対に維持する」と伝達。東芝の永山治取締役会議長(73)が反対していることも判明した。複数の関係者が明らかにした。
CVCは買収方針を変えず近く詳細な提案をまとめる方針だが、東芝の拒否により国内企業の協力も難しくなった。敵対的な株式公開買い付け(TOB)に発展する可能性が出てきた。
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東芝の広報担当者は「買収案を拒否する方針を決めていない。詳細案の提案を受けて取締役会で協議する」とコメントした。複数の関係者によると、東芝の中枢幹部が取引銀行に買収案を拒む意向を伝えた上で「CVCには融資しないでほしい」と非公式に要請した。CVCが2兆円を超える巨額買収に乗り出す場合、大手銀からの融資が欠かせないためだ。