台風死者77人に…郡山では浸水で青酸ソーダ流出、20世帯に避難勧告

台風死者77人に…郡山では浸水で青酸ソーダ流出、20世帯に避難勧告
千曲川の堤防が決壊した長野市では懸命な捜索活動や復旧作業が行われた【拡大】  記録的な大雨をもたらした台風19号による行方不明者の捜索は16日も東日本の被災地で続いた。 共同通信の集計では、12都県で77人が死亡。行方不明者は15人とみられる。犠牲になった半数超の47人は、浸水や洪水といった水害で死亡したよう。国土交通省の調査によると、浸水した面積は2万3000ヘクタールを超え、昨年の西日本豪雨による浸水面積の1万8500ヘクタールを上回った。 また、福島県郡山市はこの日、台風19号による阿武隈川の氾濫で、市内のメッキ工場の生産ラインや薬品保管庫から猛毒のシアン化ナトリウム(青酸ソーダ)が流出したと発表。周辺の約20世帯に避難を呼び掛けた。 シアン化ナトリウムは口に入れたりガスを吸い込んだりすると、呼吸困難やめまいを引き起こし、数秒で死亡することもある。市保健所によると、水がひいた16日午後に工場の排水をためる調整池を市が調べた結果、排出基準の46倍に当たる濃度のシアン化ナトリウムを検出したという。 一方、防災科学技術研究所(茨城県つくば市)は、大規模な浸水被害があった阿武隈川や千曲川の流域では「100年に1度」の頻度で起きる極めてまれな大雨が降っていたとの解析結果を16日までにまとめた。
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