東京都文京区の湯島聖堂で2018年、倒れた看板の下敷きになり、大けがを負ったアイドルグループ「仮面女子」の猪狩ともか(29)と両親が、安全対策を怠ったとして、湯島聖堂を所有する国に1000万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしたことが分かった。10日に第1回口頭弁論があり、国側は請求棄却を求めた。
猪狩は事故後、車いすでアイドル活動を続けている。提訴は3月9日付。
訴状によると、18年4月11日、湯島聖堂の敷地内に設置された立て看板(高さ約2・8メートル、幅約3・8メートル)が強風で飛ばされ、近くを歩いていた猪狩にぶつかった。病院に搬送され、リハビリ治療を受けたが、下半身の運動機能を完全に失う障害を負ったとしている。
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猪狩側は、看板の木製の脚が根腐れを起こしていたとして「強風などで倒れて通行人に激突する危険があったのに、国は点検をせず数十年間にわたり管理を放置した」と主張している。
事故の補償を巡っては、管理を委託されている公益財団法人から和解金が支払われたが、猪狩側は「補償としては不十分で、国にも賠償責任がある」としている。