風刺とナンセンスを効かせた作品で人気を集めた漫画家の富永一朗(とみなが・いちろう)さんが5日、老衰のため死去した。96歳。京都市出身。葬儀は近親者で行った。喪主は弟、浩(こう)さん。
大分県佐伯市で少年時代を過ごし、小学校教員となったが、漫画家を志して東京へ。「チンコロ姐ちゃん」をはじめ、お色気のある庶民的な大人向け漫画でヒット作を生んだ。テレビのバラエティー番組「お笑いマンガ道場」などにも出演。明るいキャラクターはお茶の間でも親しまれた。
その後、作風を変え、色鉛筆を使ってファンタジックな風景の一こま漫画を次々と描き、原画は各地の美術館などで展示された。晩年は糖尿病を患ったが「漫画を描きたい」と好きだった酒をやめ節制。その体験を講演などで披露した。
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1986年に日本漫画家協会賞大賞。他の作品に「ポンコツおやじ」「一朗忍者考」など。