3月に腎機能などの体調不良で入院していた人間国宝の落語家、柳家小三治(81)が24日、東京都内で「柳家小三治落語会」を行った。
先月に退院後、自宅でリハビリを重ねて今月21日に兵庫県内で高座復帰したが、東京では“初お目見え”。ゆっくりと高座に上がり、得意演目「小言念仏」を披露した後、「ベッドに寝てばかりだったので、立ち上がれるか。(足は)しびれてないけど、無感覚。いざとなったら前の4、5人(を助けに)お呼びしますから」とジョークを飛ばし、弟子の肩を借りて高座から降りた。
中入り(休憩)をはさみ、今度は弟子に手を引かれて登場。「そんなわけで私も緊急事態です。励ましがなければやってられません」と自虐ネタで笑わせ、観客から拍手を受けた。古典落語の演目「粗忽(そこつ)長屋」を演じ、1時間半の出演を終えた名人は「こんなことで引き下がりませんよ、私は。もう開きなおっちゃっているんですから」と頭を下げ、不屈の噺家魂を見せた。
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