日韓、１年ぶりの首相会談も平行線…安倍首相「国と国との約束守って」　李首相「順守している」

会談を前に握手を交わす韓国の李洛淵首相（左）と安倍首相　＝２４日午前、官邸（撮影・春名中）【拡大】 　安倍晋三首相は２４日午前、韓国の李洛淵（イ・ナギョン）首相と官邸で会談し、関係悪化の原因となっている、いわゆる元徴用工訴訟問題について「国と国との約束を順守することにより、日韓関係を健全な関係に戻すきっかけをつくってもらいたい」と早急な対応を改めて求めた。李氏は協定を守っていると主張した上で、文在寅大統領の親書を手渡した。親書には問題解決に向けた具体的内容はなく、関係改善は当面望めないようだ。　昨年９月にロシア・ウラジオストクで行われて以来、約１年ぶりの日韓首相による会談は、午前１１時過ぎから約２０分間行われた。冒頭、安倍首相は李氏と握手を交わしたが、笑顔は硬かった。　「韓国は国交正常化の基礎となった（日韓基本条約や日韓請求権協定などの）国際条約を一方的に破っている」　会談で安倍首相は、韓国最高裁が昨年、日本企業に元徴用工らへの賠償を命じる判決を言い渡したことと、韓国政府がこの問題に対応してこなかったことを批判した。　李氏は「基本条約と請求権協定を尊重し、順守してきている」と反論したが、今後を見据えた具体的提案はなし。議論は平行線だった。　また、李氏は文氏の親書を安倍首相に手渡した。韓国政府関係者によると「日本は北東アジアの平和のために協力する重要なパートナーだ。懸案が早期に解決するよう努力しよう」との趣旨。日本側が韓国側の具体的行動を求めているにもかかわらず、日本側にボールを投げた。 【続きを読む】