里見浩太朗、八千草さんと夫婦役「枯れても見つめていたい人でした」

里見浩太朗、八千草さんと夫婦役「枯れても見つめていたい人でした」
昨年4月に行われた「執事 西園寺の名推理」の会見に腕を組んで登場した八千草さん(右)と里見【拡大】  すい臓がんの闘病むなしく、24日に88歳で息を引き取った八千草薫さん。突然の訃報に芸能界も悲しみに暮れた。昨年4月期のテレビ東京系ドラマ「執事 西園寺の名推理」で八千草さんと夫婦役を演じた俳優、里見浩太朗(82)は「百合の花が枯れてしまった気持ちです。枯れても見つめていたい気高い女優さんでした」と名女優が演じた妻の役名、百合子と重ね合わせ、ありし日の姿をサンケイスポーツに語った。 運転中の車のラジオから流れてきたニュースで訃報を知りました。最後に会ったのは昨年の「執事-」の撮影でした。私は八千草さん演じる百合子の死んだ夫役でしたが、セットに行くのが楽しかった。目を見ていれば死んだ夫への愛、言いたいことが伝わって、お芝居をするのにとても楽な方でした。 八千草さんと出会ったのは昭和33(1958)年の映画「喧嘩太平記」でした。宝塚歌劇団を退団したばかりで、とにかくかわいかった。僕が演じた鳳達馬の兄嫁役で、兄役の山形勲さんからいびられて、僕は陰で慰め、支える立場でね。当時、青年だった僕にとって、5つ年上の八千草さんは、気高くて手の届かない高根の花でした。 あれから約60年たって「執事-」で共演して、八千草さんから「お互い若かったわね。浩ちゃん、坊やみたいだったわね」って言われました。撮影ではせりふをキッチリ覚えていらっしゃいましたが、時々ふと忘れることもあり、「ごめんなさい」って謝る姿は、思わず抱きしめたくなるかわいらしさでした。 今年4月期に放送された「執事-」の第2シリーズは病気で降板されましたが、事前に「入院するので…」と手紙をいただきました。「頑張ってください」と返事を出しましたが、お体が大変なのに、その細やかな心遣いは忘れられません。 百合の花が枯れてしまった思いです。枯れても見つめていたい人でした。気高い女優さんでした。残念で悔しい。 (俳優)
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