全盲のJKシンガー佐藤ひらり「タモリさんの音楽番組に出たい」/芸能ショナイ業務話
全盲のJKシンガー佐藤ひらり「タモリさんの音楽番組に出たい」/芸能ショナイ業務話
母の絵美さん(右)はひらりが2歳のときから母1人子1人で支え続ける【拡大】 彼女の歌を生で聴いたとき、正直、雷に打たれたような感動を覚えた。しかも、歌の合間のしゃべりが面白い。自虐ネタからマニアックな趣味の話まで、明るくユーモアにあふれ、聴いて楽しい1時間半だった。 そのライブは今月10日、東京・新宿区の老舗ライブハウス、新宿ケントスで行われた。声の主は全盲の女子高生シンガー・ソングライター、佐藤ひらり(18)。知人の元テレビ東京社員から「歌のうまい子がいるから、ぜひ」と誘われ、大した予備知識もないまま出かけた。それも良かったのかもしれない。 「こう見えても目が見えないので、皆さん、盛り上がってください!」とにこやかにあいさつしたひらり。「5歳のときに歌い始めて、最初に好きになったのは美空ひばりさんです」と自己紹介した。「難しくて、なるべくやりたくない曲なんですけど…」と苦笑しながら、ピアノ弾き語りでひばりの代表曲「リンゴ追分」を歌い出した。 透明感あふれるふくよかな歌声に加え、力強く、時に流麗なピアノ(キーボード)の調べ…。立ち見も出る満員約70人の観客はじっと聴き入り、歌が終わった瞬間、拍手喝采が鳴り響いた。CDアルバムも2枚出しており、書きためた曲は60曲近く。どんな困難も心の目を開いて未来を切り開いていこうと歌う新曲「令和」も、心に響く歌だ。 圧巻は中島みゆきの「糸」やホイットニー・ヒューストンの「オールウェイズ・ラヴ・ユー」、本田美奈子.バージョンの「アメイジング・グレイス」…。ジャンルを超えて、観客を“ひらりワールド”にたたきこんだ。 そんなひらりが最も尊敬する人物は、博学多才で古地図や坂道などマニアックな趣味でも知られるトークの達人、タモリ。ひらりは「私も日本や外国のラジオの時報を集めるのが好きなんです」といい、ピアノでNHKラジオの時報を奏で、キョトンとする観客を前に悦に入っていた。 母の絵美さん(45)によると、生まれつき視神経低形成という病気で全盲のひらりに、少しでも楽しい人生を-と0歳児のときから歌謡曲やポップス、クラシックCDを聴かせ続けたという。その結果かどうか定かではないが、ひらりには絶対音感があるようだという。 現在は国内外で精力的にライブ活動や災害被災地慰問を続けており、今月30日と12月1日には東京・神田明神の文化交流館でもライブを行う。過去にも何度かテレビの情報番組には出演してきたが、「将来はタモリさんの司会する音楽番組に出たい」というのが目下の夢。来年の音大進学目指し、今は受験勉強も続ける。 目標とする盲目の米歌手、スティービー・ワンダーに追いつくような活躍も案外、近いかもしれない。将来の楽しみな1人だ。(M)
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