韓国、北朝鮮に合意違反と抗議　海岸砲試射

　韓国国防省報道官は２６日の定例記者会見で、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が韓国に近い島の部隊を視察した際に海岸に設置している火砲を試射させたことについて、軍事的緊張緩和に向けた南北合意に違反しているとして抗議したと発表した。　２６日に南北の軍当局間の連絡チャンネルを使って口頭で伝えたほか、通知文も送ったという。北朝鮮の反応は明らかにしなかった。　北朝鮮の朝鮮中央通信は２５日、金氏が黄海側の昌麟島防御隊を訪問した際に火砲を試射させたと報じた。同通信は日時を伝えなかったが、国防省報道官は「２３日と把握している」と述べた。　北朝鮮は２０１０年１１月２３日に黄海の韓国領・延坪島を砲撃し、韓国軍の２人と民間人２人が死亡した。今回の試射はこの砲撃から９年に当たる日だった。　韓国国防省は、北朝鮮メディアが報じた後に試射を明らかにしたため、一部韓国メディアからは「隠そうとの意図があったのでは」との質問も出たが、報道官は「分析が必要だった」と反論した。（共同）