中曽根元首相が死去、101歳
中曽根元首相が死去、101歳
若手研究者らの活躍をたたえる賞の授賞式であいさつする中曽根康弘元首相=2018年7月、東京都内のホテル【拡大】 安倍、佐藤、吉田、小泉各内閣に次ぐ戦後第5位の長期政権を担い「戦後政治の総決算」を掲げて国鉄(現JR各社)の分割・民営化を実現した元首相の中曽根康弘(なかそね・やすひろ)氏が死去したことが29日、分かった。101歳。群馬県出身。関係者によると、29日午前7時すぎ、東京都内の病院で亡くなった。 東京帝国大(現東大)法学部卒。内務省入り後に海軍主計将校となり、終戦を迎える。1947年に衆院旧群馬3区で初当選し、当選20回。科学技術庁長官、通産相、自民党幹事長などを歴任して82年11月、鈴木善幸首相の退陣を受け第71代首相に就任した。在任期間約5年の1806日間は戦後第5位の長期政権だった。自主憲法制定を唱え、2003年の議員引退後も憲法改正を主張した。 首相在任中は国鉄のほか、日本電信電話公社(現NTT各社)、日本専売公社(現日本たばこ産業=JT)の民営化など行財政改革を進めた。戦後首相初の靖国神社公式参拝や、防衛費の国民総生産(GNP)比1%枠撤廃など国政上のタブーに挑んだ。 対米関係ではレーガン大統領(当時)と「ロン・ヤス」関係を築いた。 86年の衆参同日選で自民党を衆院300議席の圧勝に導き、党総裁任期を1年延長し続投。売上税導入を目指したが、公約違反との批判を浴び断念した。97年に大勲位菊花大綬章を受章。ロッキード事件、リクルート事件を巡り国会で証人喚問を受けるなど疑惑も指摘された。
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