吉野彰氏「これほど大きな市場になるとは思っていなかった」ノーベル賞公式記者会見
吉野彰氏「これほど大きな市場になるとは思っていなかった」ノーベル賞公式記者会見
スウェーデン・ストックホルムで他のノーベル賞受賞者らと記者会見に臨む吉野彰・旭化成名誉フェロー (AP)【拡大】 今年のノーベル化学賞を受賞する吉野彰・旭化成名誉フェロー(71)が7日午前(日本時間7日夕方)、スウェーデン・ストックホルムの王立科学アカデミーで行われた公式記者会見に、化学賞の共同受賞者や物理学賞受賞者ら7人とともに出席した。 「85年にリチウムイオンバッテリーを発明した当時、携帯電話もパソコンもスマホもなかった。これほど大きな市場になるとは思っていなかった」 リチウムイオン電池の開発や商業化を実現したことで化学賞を3人で共同受賞した吉野さん。現地の記者から、研究していた当時、これほど社会にインパクトを与えると想像していたかと聞かれ、冷静に振り返った。 自身が企業所属の研究者であることから、企業に所属する研究者へのメッセージを求められると、「企業所属研究者はノーベル賞を取るのが難しいといわれてきた。しかし今回私が(賞を)とったことで、若い研究者が勇気づけられたと信じる」と後進の活躍への期待を口にした。 8日午前(同8日夜)にストックホルム大学で行う記念講演については、「世界に向けて環境問題へのメッセージを発信する。私の環境問題に対する意見やビジョンを述べたい」と明かした。 9日には「ノーベル・コンサート」を楽しむ。授賞式は10日午後(同11日未明)で、その後は晩餐(ばんさん)会に出席。帰国は15日になる。
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