【複数写真あり】鋭い視線…新シングル「炎」、アルバム「LEO―NiNE」の通常盤ジャケット
「紅蓮華」の快進撃が止まらない。「私の手を離れたという言い方が正しいか分からないけど、『紅蓮華』すごいね!みたいな、どこか他人事のような気持ちでいます」。世の中の熱狂をよそにLiSAは冷静そのものだ。
昨年4月に配信をスタートした同曲は、今年に入って再加速。5月にビルボードジャパンのストリーミングチャート「Streaming Songs」で総再生回数1億回を突破した。同アニメチャート「JAPAN Hot Animation」では4月から16週連続1位。上半期総合アニメソングチャートの1位を達成するなど、昨年以上の記録ラッシュになった。
「どの曲も同じように誠実に向き合い、大切に作ってきた。『鬼滅の刃』自体に人をひき付ける力があったんだと思う。私自身も、読者として漫画を楽しみにしていた一人。初めはたくさんの人に(この曲も)受け入れられるといいな―という願いから始まった。大勢に愛され、放送後もブームが続く。その広がりを目の当たりにできて幸せです」
オリジナルアルバムは「LiTTLE DEViL PARADE」以来3年5か月ぶり。「赤い罠(who loves it?)」や「unlasting」「ADAMAS」など多彩な13曲を収録した。
「『紅蓮華』の持つ勇ましさや生命力、力強さを失わないもの、前向きになれるものにと思い、制作しました。コロナ禍でどう過ごすかを、それぞれが考えたと思う。こんな時だからこそ、背中を押せるような、一緒に進んでいけるようなメッセージ性を持ったアルバムにしたかった」
17年にシングル「Catch the Moment」がヒットし、18年にベスト盤も発売。ここまで順風満帆にみえるが、不安や葛藤から抜け出せずにいた。
「常に人生のゴールに向かって走っている感覚でした。いつか終わるなら『今』を全力で、という気持ち。30代を迎えることに恐怖も感じていた。30歳になって次の10年をどうやって生きていくか―、想像した時に何も見えなかった。できる限り走って行って、終わってしまえば、その時が燃え尽きた時だって。すごく苦しかったです」
それがある出来事をきっかけに変わる。その1つが紅白出場だった。「未来にご褒美があるかも―という希望を持てたんです。『紅蓮華』があって、紅白というボーナスステージが待っていた。立ち止まって走ってきた道を振り返った時、もっとみんなと楽しいことができそうだなと思えたんです。長く楽しく続けることが目標になりました」
アニメ「Angel Beats!」の劇中バンド「Girls Dead Monster」の2代目ボーカルとしてデビュー。10年が過ぎた。当時のプロデューサー麻枝准(まえだ・じゅん)氏の「君に十字架を背負わせたかもしれない」という言葉の意味が、ようやく理解できるようになった。「アニメの印象が離れず、ずっと重くのしかかってくるという意味だったんだなって。『紅蓮華』も十字架になる曲。でも(当時と違うのは)この曲の歌詞じゃないけど、悔しい思いをしたからこそ味わえる幸せもある、悔しい思いをした人にしか得られない幸せもあると知れたこと。たくさん十字架を背負ってきたな~ぐらいの感覚です(笑い)。自分らしく進んできたから不安はないです!」
新型コロナの影響で、初ドーム公演を含む全国ツアーは仕切り直しになった。来年はソロデビュー10周年。「止まっていた物事が倍になって動き出す。ワクワクが一気にやってくると思ってもらえれば。2年分を味わってほしい」。LiSAから目が離せない。
■YouTube「THE FIRST TAKE」登場
LiSAは、一発録りで人気のYouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE(TFT)」の第62回に再び登場し、「炎」を歌唱することが決定。16日午後10時からプレミア公開される。TFTだけのピアノアレンジで披露予定。「『鬼滅の刃』が劇場デビューする門出に、テレビシリーズに続き(主題歌曲を)任せてもらえた。信頼されたのかなという、うれしさがあった」と笑顔で語った。報知新聞社