歌舞伎俳優の松本幸四郎(47)、市川猿之助(44)、片岡愛之助(48)らが13日、東京・歌舞伎座で行われた「八月花形歌舞伎」(8月1~26日)の製作発表に出席した。 歌舞伎座は新型コロナウイルスの感染拡大防止で3月から公演を中止しており、今回は5カ月ぶりの再開。飛沫感染対策として、常連客が役者の屋号「成田屋!」などと声を張る大向こう(おおむこう)や、「日本一」「待ってました」などおなじみの掛け声が禁止される中での上演となる。 大向こうは客席後方からの掛け声。絶妙なタイミングで芝居を盛り上げるが、愛之助は「(舞台上で)見得を切って(掛け声などの)恩顧がないとういうは、非常にガクッとくるもの」と正直に吐露。音響で大向こうの再現を提案したが、「声をかけていいんだと間違ってしまうお客さまが出るかもしれない」との理由で却下されたという。 幸四郎は「今回は堂々と歌舞伎を演じる。それに尽きる」と力説。中村勘九郎(38)は「歌舞伎はお客さまとのコミュニケーションを大切にするので、恩顧がないと寂しい。見ていただけるお客さまも物足りないかもしれないが、舞台上からはパワーを送りたい」と熱演を約束した。 今回、歌舞伎座では4部制を初めて導入。各部でスタッフも総入れ替えとなる。観客が食事などを楽しむ幕間はなく、休憩なしで1演目を1時間程度で上演。音声ガイドや筋書き本の販売もなく、新しい上演スタイルとなる。 猿之助は歌舞伎の配信を視野に「次の歌舞伎を生み出す良い機会。100年、200年のスパンで変わっていく」と指摘。中村七之助(37)は「生の舞台はなくしたくないが、VR(バーチャルリアリティー)を取り入れた上演も試験的にやってみたい」と提案していた。 上演再開にあたり、国際感染症センターの大曲貴夫センター長が歌舞伎座を視察。楽屋も含めた感染防止策を指示した。客席は1808席のうち823席を使用。役者が登場する花道付近の座席はより間隔をあける。 出演者やスタッフら上演に関わる約500人にはすでに抗体検査を実施。約250人は陰性で、残る半数は2~3日中に結果が出るという。 徹底した安全対策を強調する松竹・安孫子正副社長は「世の中の感染状況をみながら、元の方向(上演スタイル)に進みたい」と説明。経営状態は「正直、厳しい」としながらも「歌舞伎、演劇の火を消してはいけない。上演することによって前向きな姿勢を示したい」と話していた。
歌舞伎座が観客の掛け声禁止で再開、中村勘九郎「舞台上からはパワーを送りたい」
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歌舞伎座が観客の掛け声禁止で再開、中村勘九郎「舞台上からはパワーを送りたい」
「八月花形歌舞伎」の製作発表に出席した左から中村七之助、片岡愛之助、松本幸四郎、市川猿之助、中村勘九郎=東京・歌舞伎座【拡大】
[紹介元] 「芸能社会」の最新ニュース – SANSPO.COM(サンスポ・コム) 歌舞伎座が観客の掛け声禁止で再開、中村勘九郎「舞台上からはパワーを送りたい」