京都アニメーション(京都府宇治市)の新作「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」が18日、全国公開の初日を迎えた。昨年7月の放火殺人事件で犠牲となった社員も製作に携わっており、事件後に京アニが完成させた初めての作品となる。
美術監督を務めたのは、事件で死亡した渡辺美希子さん=当時(35)。大叔母で切り絵作家の土田節子さん(76)=三重県桑名市=は「美希子ちゃんの関わった作品が、多くの人に長く愛されたらうれしい」と語った。
当初は1月の公開予定だったが、放火殺人事件の影響で4月に延期、さらに新型コロナウイルスの感染拡大で再延期していた。京アニの八田英明社長は7月の記者会見で「大変な事件が起きたが、一人一人の思いで(映画の)完成に行き着いた」と語っていた。
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京都市中京区の映画館では18日朝、開館前からファンらが行列を作った。 初回上映後に劇場内で拍手が起こり、同市山科区の大学1年の女性(18)は「亡くなられたスタッフの思いが引き継がれた作品を見られて感動しました」と涙を浮かべて話した。