【写真】道端アンジェリカというキャラクターを演じることに疲れて
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◆子どもにとって何が幸せか
2020年7月で息子が2歳になりました。夫の事件を機に芸能活動を休止し、またステイホーム期間中、ずっと家にいたこともあって、ママべったりになってしまい――私がトイレに行っただけで「マミ~」と探すし、保育園に連れて行こうとすると、ギャン泣き。はい、すっかりママです。(笑)
夫とは現在、離婚調停中で、今後はシングルマザーとして生きていこうと思っています。
別れることを考え始めたのは今年1月頃。彼との話し合いのなかで、いったんは「3人でがんばろう」という気持ちになりました。夫もやり直したいと言ってくれたし、まだ子どもが小さいからパパがいたほうがいいと思ったのです。
でも徐々に、私が我慢しながら生きている様子を見て、子どもはどう感じるのだろうと思うようになりました。正直でのびのびとしたところが私らしさなのに、笑顔になれず、子どもの前で作り笑いをする生活が続いていたので。
離婚を考えた一番の理由は、価値観の違いです。彼は真面目な人で、こうと決めたら猪突猛進するタイプ。それがいい方向に働くこともありますが、私に対しても、「こうしてほしい」という思いが強かったのでしょうね。私もそれを察して、プライベートでも仕事でも彼が納得いくような生活を心がけていました。でも本来の私は、「誰もが自由に自分の好きなことをすればいいじゃない」というタイプで……。彼は私の自由さに戸惑っていたのだと思います。◆一目惚れでスピード婚
今思えば、お互いのことをまったく知らないまま結婚してしまったことが、すれ違いの始まりだったのかもしれません。
交際のきっかけは私の一目惚れ。知人どうしの集まりで出会ったのですが、一緒にいて楽しいし、とても普通の感覚を持った人だと思いました。
若い頃の私はセレブ志向と言われたりもしましたが、そんなことはまったくありません。雑誌の読者モデルからスタートし、18歳で一人暮らしを始めたものの、モデルだけでは生活できなかったので、普通に居酒屋でアルバイトをしていましたよ。
彼と出会った頃、私は仕事に行き詰まりを感じていました。“道端アンジェリカ”というキャラクターを演じて、無理していた時期だったのです。
痩せていなくてはという強迫観念からハードな運動をしたり、食事を極端に減らしたりしているうちに、固形物が食べられなくなり、拒食症一歩手前になったり。無理なダイエットやストレスの影響か、乾癬にもなってしまいました。
さらにホルモンバランスが崩れ、7年間も生理が止まってしまい──。そのせいもあって骨粗鬆症ぎみだったのでしょう。ちょっと転んだだけなのに足首を骨折したのです。そのとき「これでしばらく、やりたくもない運動から逃げられる」とうれしかったほどですから、どう考えてもおかしいですよね。精神的にも肉体的にも限界でした。
そんなときに出会ったのが、夫だったんです。彼は当時会社員で、芸能界に疎く、私がモデルだということも知らなかったし、“道端三姉妹”と聞いてもピンとこないみたいで。私に対して先入観がなかったこともうれしかった。
その後、知り合いを通じて彼に再会してすぐに「好きです」と告白しました。その1ヵ月後には、なんと生理が復活したのです。私は「この人の子どもを産めということに違いない」と、運命を感じて。出会って6ヵ月後に結婚。すぐに子どもを授かりました。
しかし、妊娠がわかると、私は“ママスイッチ”が入ってしまいました。急に母性がボンと目覚めて、理屈を超えた感覚でした。恋愛期間が短く、彼にしてみれば、いきなり人が変わったと感じたかもしれません。産後はますます子ども中心の生活に。でも彼は、そんな私との生活に違和感を覚えていったのでしょう。日常生活での意見の食い違いが表面化。すれ違いも生まれ、言い争いになることが増えていきました。