目黒の結愛ちゃん虐待死　父・雄大被告、病院連れて行かなかったのは「保身を優先」

　東京都目黒区で昨年３月、船戸結愛ちゃん＝当時（５）＝を虐待し死なせたとして、保護責任者遺棄致死などの罪に問われた父親、雄大被告（３４）の裁判員裁判が４日、東京地裁（守下実裁判長）で開かれた。　雄大被告は、暴力を繰り返した理由について「しつけがうまくいかず、怒りが強くなって暴力をするようになった」「感情のコントロールができなかった。全て私の責任だ」と話した。　雄大被告によると、昨年２月下旬、勉強を指示したのに寝ていた結愛ちゃんを見て「なぜ寝ているのか」と詰問。風呂場に連れて行って馬乗りになり、シャワーで顔に冷水を浴びせた。　「虐待の発覚を恐れる保身の気持ち」から病院に連れて行かなかったと説明。炭水化物や肉、魚は与えず、１食だけの日もあったとし、厳しい食事制限も認めた。結愛ちゃんは「おねがい　ゆるして」などノート片につづっていた。逮捕後に読んだ感想を問われ「私の機嫌を取るために書かされ、申し訳ない、情けないと感じた」と話した。　男性の裁判員は、東京に転居してから亡くなるまで、結愛ちゃんをほとんど外出させなかったことを質問。「私のエゴを強要する手段として『言うことを聞かないと連れて行かないぞ』と言った。むちゃくちゃだった」とし「今思うとあり得なかった」と振り返った。