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危険地帯ジャーナリストの丸山ゴンザレス氏(43)が責任編集を務めた「旅の賢人たちがつくった 海外グルメ旅最強ナビ」(辰巳出版、税込み1650円)が好評発売中だ。作家、ライター、商社マン、会社経営者、キャバ嬢ら旅の達人の海外メシ体験談を凝縮。コロナ禍で自由に海外旅行ができない中、あえて海外メシにスポットを当てた意図をゴンザレス氏が語った。
コロナ禍の昨年12月24日に「海外グルメ旅最強ナビ」という食をメインテーマにした新刊を編者として出版した。
現状で海外の食をテーマにした本を作ることには正直なところ抵抗があった。食事の場はコロナ感染が起きやすい。世界中で飲食店の営業が制限された結果、多くの店が閉店に追い込まれているのは周知のところだ。このままだとコロナが明けたとしても、今までに当たり前だった食事の常識だって変わっているかもしれないからだ。
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だが、もうひとつの考えも同時に浮かんだ。失われてしまうからこそ記録として食をまとめる意味があるのかもしれないとも思ったのだ。さらに後押しになったのは、単純に食は面白いことだ。
どんな場所に行っても人は必ずメシを食べる。それも、ただ食べるだけではなく、食べる場所を探し、席を選び、メニューを見て考える。何が食べたいのか伝える。料理を味わうときに誰かいるかもしれないし、一人かもしれない。食べたものの味だけではなく、会計でトラブルがあるかもしれないし、食後の道で何か起きるかもしれない。そこまで含めたストーリーになるのだ。
これほどエンターテインメント性のあるテーマなら、きっと誰の話であっても面白いはずだ。実際、本書には期待を裏切ることのない珍品・絶品・ゲテモノなどの食材、未承認国家などマイナーな場所の料理、忘れられない食事にまつわる物語など、私よりも経験豊富な旅人たちが紡ぎ出した食にまつわるエピソードがおさまっている。
いつか旅に出るときに世界がどう変わったのか、変わらなかったのか。それにともなって食がどうなったのか、それを確かめながら歩きたい。今はそう思っている。(ジャーナリスト)