サンスポRQW準グランプリの樹智子「私は何になりたいのだろうか」
「私は何になりたいのだろうか」とコラムで自問自答した樹智子
何かになりたい
何かになりたい
でも何になりたいか分からない。
忘れたものを探すみたいな日々
それが色あせるときは来るのだろうか
幼少期から探し物を明確にできている人々がうらやましい。私はまだ見つからない。
googletag.cmd.push(function() { googletag.display('div-gpt-ad-Rec_Article'); });
よく「猫になりたい」と言っている人を見かける。
猫になってどうなりたいのか。かわいがられたいのか、ただ寝ていたいのか、気分で行動したいのか。人間の世界は息苦しさでいっぱいなのであろう。そんな時、私は心の中でいつもお疲れ様…と思っている。
そんなことを考えている自分を嫌だし、そんな風に相手を思っていると察されれば、不快に思われるかもしれない。
猫になりたいってどういう意味なんだろう。その人がいま苦しい状況にいるから癒やしを求めての発言なのか、ゆったりと平凡な日々がこのまま続いてほしいから言うのか、本当に分からない。
樹智子はコラムに合わせたイラストを描いた
昔、「猫になりたい」と言っていた友人に一度だけ聞いてみたことがある。
猫になってどうするの
猫は自分の感情、痛みなどを言葉で伝えられないよ と。
友人は分からないけど今はなりたいと応えた。
私は堅苦しい人間なのかもしれない。考えすぎている。
へぇ~で終わる会話を気にしてしまう私の悪いクセ。そんなことを聞いて、どう理解したいのか自分でもよく分からない。
私は何になりたいのだろうか。例えられる動物がほしい。でも、きっと私の求めている動物は言語が話せることが第一にあるから、この世界にはいない。強いて言うならドラえもんかな? そんなことを考えているうちにどんどん理想が強くなり、かけ離れていく。
何になりたいかなんて無理に考えず、焦らず、いまある小さな光を大切にすることが一番の近道である。
ゆったりとした空間を創れるそんな日々に幸福を感じながら生きていきたいと思った。
サンスポレースクイーンAWARD2020 準グランプリ 樹智子