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愛知県豊橋市発「久遠チョコレート」の17年を紹介する東海テレビ制作のドキュメンタリー「 チョコレートな人々」(27日後2・0、東海ローカル)にナレーションで出演する女優の宮本信子。感慨無量の面持ちで振り返る。
「17 年前、ドキュメンタリー『あきないの人々~夏・花園商店街~』に出ていたパン屋さんの青年がこんなに頑張り続けていることに驚いた。あの時、とても想像できなかった。“ チョコレートは失敗しても温めれば何度でもやり直せる”。 チョコレートとの出会いがすごい」
こう話し、「人間、直感と粘り強さが大事。今の世の中に一番大切なことが描かれている。見たあとにきっと優しい気持ちになっている、そんな番組です」と添えた。くしくも、放送日は宮本さんの76回目の誕生日でもある。
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同市に本店がある「久遠チョコレート」。世界のカカオを使ったチョコとおしゃれなデザインで、年間売り上げは約10億円。全国に51の工場と店舗があり、全従業員約500人のうち、心や体に障害のあるスタッフが約300人(3月現在)いる。最近はシングルマザーや不登校経験者など多様な人たちが働く場にもなっている。
スタートは2003年。市内の花園商店街で当時26歳の夏目浩次氏と障害のあるスタッフ3人が立ち上げた小さなパン屋さんだった。
「障害があっても稼げる場所を作りたい」
夏目氏はさまざまな業種を立ち上げては失敗もしてきたが、7年前にトップショコラティエの野口和男氏との出会いからチョコブランドが誕生した。チョコは失敗しても作り直せる食材で、障害のあるスタッフの作業にぴったり。それは夏目氏の人生にも重なっていた。
鈴木祐司ディレクター(東海テレビプロダクション)は「『周りが障害者にしている』。久遠のスタッフの言葉にハッとした。福祉施設をまわってみるとハンディキャップのある人に仕事は与えられず、ますます何もできない人になっていく。もっと能力を伸ばせるはずなのに…」と話し、夏目氏の言葉を紹介する。
「工夫次第で重度の人だって働けますよ」
鈴木ディレクターは「誰もが何かの障害者だ。同じ人間なのに境界線を引いて夢を奪っているのは誰? 人なのか? 社会なのか? 取材した“チョコレートな人たち”が社会を変えるかもしれない」と話している。