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近年のキャンプブームに加え、新型コロナウイルス感染拡大でさらに注目を集める「ソロキャンプ」。2020年新語・流行語大賞のトップ10に入るほど一人だけのキャンプが人気となる一方、キャンプ場でのごみやたき火跡の放置など“たき逃げ”と呼ばれるマナー悪化が目立つ。ソロキャンプ愛好家たちが清掃活動に立ち上がったが、違反者に「注意しない」という独自のルールがあった。
「たき逃げの上にたき逃げが重なり、モグラが掘り起こした跡が炭だった。こんなひどい状態が続けば、野営場も閉鎖されてしまう」。日本単独野営協会の小山仁代表理事(44)は嘆いた。
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神奈川・愛川町の中津川河川敷にある「角田青少年広場」。同協会が活動の拠点にしている野営場だ。コロナ禍で“3密”にならずに済むソロキャンプが脚光を浴びる一方で、たき火した後の炭を放置する「たき逃げ」も後を絶たない。
炭は放置すると土の中で分解されず、炭の層が残ってしまう。小山氏はコロナ禍前の2018年に協会を設立し、同広場での清掃活動に力を入れている。その活動方針はユニーク。マナー違反者に、注意はしない。ひたすらごみを拾う。これを会員にも徹底する。
注意しない理由を、小山氏はイソップ寓話(ぐうわ)の「北風と太陽」にたとえる。北風、つまり強い力で抑えようとしても反発が同じ力で返ってくる。実際に、ある会員がごみのポイ捨てを注意したところ、翌朝に会員のテント前にナイフの刃が置かれていたこともあったという。
「太陽」にあたるのが徹底した清掃活動だ。「割れた建物の窓を放置しておくと犯罪を誘発する。徹底的にきれいにして管理することで、たき逃げをできないようにしてしまう」と強調した。
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