ドラマ「おしん」や「渡る世間は鬼ばかり」で知られる脚本家で文化功労者の橋田壽賀子(はしだ・すがこ、本名・岩崎壽賀子=いわさき・すがこ)さんが、4日午前9時13分に急性リンパ腫のため静岡県熱海市の自宅で死去した。95歳。ソウル生まれ。故人の遺志にしたがい通夜・告別式は行わず、5日に荼毘に付された。
TBS系ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」を手がけたテレビプロデューサーで演出家、石井ふく子さん(94)は同局を通じて追悼コメントを寄せた。全文は以下の通り(原文ママ)。
橋田さんとは60年のお付き合いです。年中喧嘩したり、相談したり、家族のように付き合ってきました。一日電話しないと「どうしたの?」と心配されることもありました。思い出がありすぎて何も言えません。こんなに急だなんて悔しくて、なんと言っていいかわかりません。「あなた一人でどこに行ったのよ」という思いでいっぱいです。
googletag.cmd.push(function() { googletag.display('div-gpt-ad-Rec_Article'); });
橋田さんは現在のコロナ禍の状況を見て、そこで感じた家族の形を書きたいとおっしゃっていました。同時に「私はいつも一人だと思っていたけれど、あなたたちがそばにいてくれたのね」とおっしゃって。私は「今更、なにを言ってるのよ」と返しましたけれど。お互いに元気でいようねって話していたところでした。
今、私の隣りに笑って私を見ている遺影があります。まだ、橋田さんがこの世からいなくなったなんて考えられません。