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新型コロナウイルス感染拡大で3度目の緊急事態宣言が25日、東京、京都、大阪、兵庫の4都府県で発令された。5月11日までの予定で大型商業施設の休業、酒類提供の自粛などがスタート。東京都内では小池百合子知事の要請に応じて夜8時に一部のネオンなどが消されたが、宣言初日が日曜と重なったほか、“自粛疲れ”もあって繁華街の人出や路上飲みは消えなかった。
若者の街・渋谷。JR駅前のスクランブル交差点にある4つの巨大ビジョンが、午後8時と同時に一斉に消えた。にぎやかな音楽も消え、一瞬の静寂と暗闇…。しかし、すぐに若者たちの笑い声が交差点に響いた。
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首都・東京の宣言発令初日。商業施設や百貨店は休業となった一方、多くの路面店や飲食店は営業を続けた。酒類を提供する店もあり、普段の日曜に比べて少ないものの人通りは多かった。
渋谷では忠犬ハチ公の銅像前で若者たちが夜も談笑。路上ライブには人垣ができた。道玄坂やセンター街の路地裏、コンビニ前などには路上飲みの集団。弁当を食べる“路上メシ”の人もいた。酒類販売を自粛した寿司店では「ノンアルコールビールが通常の数倍売れている」。複数の警官が街中を巡回していたが、注意や指導をしている様子はうかがえなかった。
国内屈指の繁華街、新宿。夜の街・歌舞伎町では日が暮れる前から路上飲みをする若者グループが多く、酒類の空き缶が散乱していた。新宿三丁目では昼から満員の飲食店もあり、路上に置かれたテーブルでビールやワインを飲む人々。さいたま市の男性会社員(35)は「空いている店が少ないと、そこに客が集中する」と話した。
新宿ゴールデン街は200軒以上の小さな店がひしめくが、開いていたのは1割程度。ある店の女性従業員(40)は「小さい店だと休業して協力金をもらった方がいいところも多い」と明かした。花園神社で一人缶ビールを飲んでいた男性(70)は、「いつも行く店が閉まっていたから…」とポツリ。
夜9時過ぎには人出も減り始めたが、歌舞伎町の中心部などではネオンや看板の明かりがついているところが目立った。“宣言慣れ”が指摘される中、人の行動を抑制する効果の見通しは暗い。 (梶川浩伸、山内倫貴)