首里城焼失…未明の猛火で涙のウチナー

火災で焼失した首里城の正殿（中央）＝３１日午後、那覇市【拡大】 　３１日午前２時半頃、那覇市の首里城から出火し、木造３階建ての正殿が全焼するなど、主要７棟の計４０００平方メートル以上が燃え、約１１時間後の午後１時半頃に鎮火した。市消防局によると、正殿内部から火が出た可能性が高く、沖縄県警と１日に実況見分し、出火の原因を調べる。首里城跡などは世界遺産に登録された「沖縄の心のよりどころ」。周辺住民は涙を流し、同県出身の芸能人ら関係者はショックを隠せなかった。　午前２時３４分、警備会社の防犯センサーが作動した。同４０分には自動火災報知設備が反応。駆け付けた警備員が正殿北側のシャッターを開け、中に入ると煙が充満。その後、火柱を確認した。　「首里城が燃えている！」。警備会社が午前２時４１分に１１９番し、消防隊が正殿に到着した時には、炎が屋根の高さまで達していた。　消防隊は消火に当たったが、北からの風にあおられた猛火は北殿と南殿へ。木造３階建て、延べ床面積１１９９平方メートルの正殿は午前４時５０分頃、屋根から崩れ落ちた。火の粉が広範囲に舞い、市は災害警戒本部を設置し一時避難所を設けたが、けが人はいなかった。　市消防局などによると、南殿と北殿も全焼。近接する「黄金御殿」「書院・鎖之間」「二階御殿」もほぼ全焼し「奉神門」も焼失した。 【続きを読む】