武漢の新型肺炎の患者５０００人超か　北大が推計

　中国の湖北省武漢市で広がっている新型コロナウイルスによる肺炎の患者数について、北海道大の研究チームは２５日、武漢市内だけで５０００人を超える可能性が高いとの推計をまとめた。　現地の診断・報告システムは不十分とみられることから、中国国外での患者数に着目。統計モデルを使って算出した結果、中国国外で患者１人が発生した場合、背後には武漢市内で数百人に上る未報告の患者がいるとの結果になった。欧州医学誌に発表した。　チームの西浦博教授（感染症疫学）は「中国当局による現在の報告数は過少である可能性がかなり高い」としている。　世界観光機関のデータを基に、２４日時点で患者の発生が確認された日本やタイなど７カ国・地域への武漢市からの渡航者を１日当たり約３５００人と推定。感染から診断までの日数や武漢の空港を利用できる人口が約２０００万人に上ることなどを考慮した。　２４日までの中国国外の患者数を１３人として計算した結果、武漢市内の患者数は同日時点で５５０２人に。１３人と数が少ないことから計算によって推計の患者数は約３０００～９０００人と幅が出るが、少ない数でも中国当局の発表を大幅に上回り、西浦教授は「患者数は数千人規模になるのは明らか」と話している。