どうなる「9月入学」案 来年導入なら受験シーズンが五輪と重なる?メリットや課題まとめ

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どうなる「9月入学」案 来年導入なら受験シーズンが五輪と重なる?メリットや課題まとめ
もし「9月入学」になったら…【拡大】

 きょう5日は、子供たちの成長を願う「こどもの日」。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、全国的に休校の中で迎える祝日になった。4月末、東京都や大阪府などの知事が旗を振り始めた「9月入学」移行案が、国民に賛否を巻き起こしている。政府は6月上旬までに論点を整理するとしているが、本紙では一足先に、メリットや課題、影響などをまとめた。 4月末に降ってわいた「9月入学」移行論。休校が続き、学習の遅れへの不安が解消されるとして歓迎する声が上がる。 一方で桜の季節に卒業、入学が、猛暑のそれにかわる。現役生徒からは「私は桜が咲く春に入学して春に卒業したい」と訴える声も。日本人の季節感や情緒に大きな変化を与えるとして反対意見も相次ぐ。ただ、こうした文化的側面を抜きにしても、事はそう簡単に運ばない。 政府は来年導入の可否を検討する姿勢だが、導入の場合、受験シーズンなどが来夏に延期された東京五輪・パラリンピックの開催期間に直撃されるとの指摘も。特に首都圏の大学を受験希望の地方の生徒は、宿泊先確保などで不安を抱えることになる。 学生スポーツへの影響も大きい。あくまで現行の日程で行われるなら、高校球児にとって集大成の大会である夏の甲子園に、高校3年生が出場不可能になる恐れが。春の選抜と大会の重要性が逆転する可能性も出てくる。 「9月入学」を巡っては2011年、東大が外国人留学生の受け入れ拡大などを理由に全面移行を検討した。大論争の末、13年に「当面見送り」とされた。今回は、新型コロナウイルスとの闘いにゴールが見えない中、教育現場は、いかに安全に学校を再開させるか頭を悩ませているのが現状。議論に加わる余裕はない。 政府は6月上旬までに論点をまとめるとしているが、栃木県の福田富一知事は「社会構造を大きく変え、国民投票に値する事案」と拙速な議論に強く反対。戦争や災害、テロなどに乗じて過激な社会改革を断行する「ショック・ドクトリンそのもの」との批判も上がっている。日本の子供たちの未来を左右する変革だけに、慎重な検討が求められる。
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[紹介元] 「芸能社会」の最新ニュース – SANSPO.COM(サンスポ・コム) どうなる「9月入学」案 来年導入なら受験シーズンが五輪と重なる?メリットや課題まとめ