【ヒューマン】いま最もチケットが取れない落語家、春風亭一之輔が語る“しゃべり続ける覚悟”

　落語家、春風亭一之輔（４２）が、４月にＹｏｕＴｕｂｅで落語を１０日連続で生配信し話題を呼んだ。年間９００席以上の高座を務める当代きっての人気者は、新型コロナウイルスの影響で公演中止や延期を強いられる中、「一席一席を演じられる重みが改めて分かった」と気を引き締める。２１日からは再び生配信に挑戦する。パーソナリティーを務めるニッポン放送「春風亭一之輔　あなたとハッピー！」（金曜前８・０）は放送１周年。異常事態でもしゃべり続けることが使命だ。　新型コロナで落語界もネット配信に活路を見いだしている。“いま最もチケットが取れない落語家”と呼ばれる一之輔は、東京・上野の鈴本演芸場でトリを取る予定だった４月２１～３０日に合わせ、ＹｏｕＴｕｂｅで生配信した。　「一つの手段として誰かが聞いている上で落語ができるならと思い、やりました。いつもはお客さんの笑い声で間を取り、配信は笑い声が聞こえないので、大変かなと思いましたが、慣れていきました。見ながらチャットをする人は聞いているのか疑念がありますが、それも新しい見方。テレビを見ながら感想を言うのと同じ。僕は『感想書き込みやがってバカ野郎！』と（冗談で）言ってましたけどね」　海外からの視聴者も含め、連日リアルタイムで１万人以上が視聴した。　「常連よりは初心者に投げかけたつもりです。入り口にしていろんな落語家の配信を見てもらえたらありがたい。収束後、お客さんに来てもらうためのショーウインドーの役割になっていると思います」と先を見据える。２１～３０日には２回目の生配信が決まった。　立川志らく（５６）らを輩出した日大芸術学部の落研出身。２００１年に入門し、１２年に２１人抜きで真打に昇進した。年間９００席以上の高座を務めながら、テレビ、ラジオ、コラム執筆と活躍の場を広げてきた。
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