太宰治ゆかりの旅館閉館、コロナの影響受け

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太宰治ゆかりの旅館閉館、コロナの影響受け
4月末で閉館した老舗割烹旅館「玉川」=19日、千葉県船橋市湊町(撮影・長橋和之)【拡大】

 千葉県船橋市にある太宰治ゆかりの「玉川旅館」が創業100年目の今年4月末で閉館し、19日、報道陣に公開された。国登録有形文化財になっている建物の修繕費用がかさんでいたことに加え、新型コロナウイルス感染拡大による宿泊客減少が追い打ちとなった。市が建物の構造調査などをした後、6月から取り壊される予定。 旅館は1921年創業。35年、療養のため同市に転居した太宰が20日間ほど滞在し、小説「ダス・ゲマイネ」などを執筆したとされる。宿泊したのは、小さな机が備え付けられた4畳半と3畳の二間続き。当時のままの姿で客室として使われ、国内外から多くのファンが訪れた。 台風などで被害を受けるたびに屋根などの修繕を繰り返してきたが、全てをふき替えるには億単位の費用がかかり、職人も減っているため断念。さらに数年前から宴会の需要が落ち込み、今年3月後半からは宿泊予約のキャンセルが相次いだ。4月30日の閉館は感染拡大を防ぐためセレモニーは行わなかった。 おかみの長野與子さん(73)は「地元の応援があって今までやってこられたことがうれしい」と感謝の言葉を述べた。

[紹介元] 「芸能社会」の最新ニュース – SANSPO.COM(サンスポ・コム) 太宰治ゆかりの旅館閉館、コロナの影響受け