さだまさし、2年ぶり新アルバム発売 新型コロナの脅威と戦う「存在理由」を語る

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さだまさし、2年ぶり新アルバム発売 新型コロナの脅威と戦う「存在理由」を語る
外出を控えつつ、さだはギターを手に自らの存在理由、音楽制作に励んでいる【拡大】

 シンガー・ソングライターのさだまさし(68)は20日、グレープ時代から通算46枚目となるオリジナルアルバム「存在理由~Raison d’etre~」をリリースする。さだは本紙の単独インタビューで、新型コロナウイルスの脅威と戦う現在の存在理由(レゾンデートル)を語った。 2年ぶりのニューアルバムは、新型コロナウイルスと戦う人類や日本、さだ自身と重なるタイトルになった。実は表題曲『存在理由』(レゾンデートル)は、昨年2月にレコーディングまで終えていた。昨年リリースしたセルフカバーアルバム『新日本風土記』に収録予定だったものだ。 「去年書いたのが不思議な感じです。やはり歌は自分で書いているんじゃない、神様に書かされているんだなと。(歌詞に)『もしも何かが起きてしまっても 私はあなたを諦めないと思う』と僕は書いた。諦めたくない、このコロナも」 きっかけは一昨年の西日本豪雨(注1)。被災地を歩き、現場で頑張っている人のために歌い、思った。 「これからも僕らは嫌なニュースを聞かされるだろうという恐怖心。それを乗り越えて歌っていくのが、自分の生きがいだろうと。『レゾンデートル』は哲学用語で『存在理由』と訳しますが、僕の感覚では『生きがい』。蟷螂之斧(とうろうのおの=カマキリが前足を振り上げるように、弱い者が強者に立ち向かう無謀さのたとえ)でも持っていたい。ささやかな心の矜持(きょうじ)を持っているか、という自分に対する問いかけです」 また、平和への思いを込めた『ひと粒の麦~Moment~』は、内戦が続くアフガニスタンで、灌漑(かんがい)事業などの人道支援に取り組みながら、昨年銃撃を受けて命を落とした医師、中村哲さん(注2)にささげる曲だ。 「農業を覚えてくれれば、そこで生活できるから銃を持たなくて済むというので、中村先生はアフガニスタンに水路を作った。砂漠が見事に緑に変わった。そんな偉大な人を心に刻もう、という歌になるかと思っていたら“コーヒーを飲むときにでも思い出してくれよ。諦めない、必ず引き継がれていくから”みたいな、先生に手紙をもらう歌になった。意外な結末でした」。 繰り返される単語「Moment」は、祈りの「エーメン(アーメン)」に聞こえる。「われわれの人生は、地球にとって一瞬。宮沢賢治の『春と修羅』でいう『私という現象』です。一瞬の現象でも、砂漠を緑に変える一瞬もある」。言葉の魔術師、さだまさしのレゾンデートルは、まさに曲を作り出す人生の一瞬にある。 【注1】2018年7月、台風7号と梅雨前線による豪雨が西日本に甚大な被害をもたらした。さだは岡山、広島、愛媛県などで支援イベントを開催。 【注2】中村哲さんはアフガニスタンで医療支援のかたわら約25キロに及ぶ用水路を建設するなど支援を続けた。19年12月、武装集団に銃撃され命を落とした。★今夜ライブ配信! 20日午後7時から、LINE LIVE、YouTube Liveで、トーク&ライブ番組「発売日だから生でさだまさし」が配信される。さだ自身が同日発売のニューアルバムをたっぷり紹介する。4月10日のライブ配信第1弾「バースデーだから生でさだまさし」では『緊急事態宣言の夜に』が披露されたが、今回もサプライズはある!?

[紹介元] 「芸能社会」の最新ニュース – SANSPO.COM(サンスポ・コム) さだまさし、2年ぶり新アルバム発売 新型コロナの脅威と戦う「存在理由」を語る