海老蔵の“恩人”一井久司さん死去 元NHK名物プロデューサー

FavoriteLoadingこの記事をお気に入りに登録しませんか!
海老蔵の“恩人”一井久司さん死去 元NHK名物プロデューサー
市川海老蔵【拡大】

 数々の人気大河ドラマや朝ドラを手がけた元NHKの名物プロデューサー、一井久司(いちい・ひさし)さんが、先月14日に胆管がんのため死去していたことが4日、分かった。68歳だった。温かい人柄で数多くの俳優、女優に親しまれ、歌舞伎俳優、市川海老蔵(42)の新之助時代には大河の主役に大抜てき。緻密で大胆なドラマ作りで視聴者を魅了した。 NHKのドラマ史に確かな足跡を残し、海老蔵ら多くの芸能人が“恩人”と慕っていた男が、壮絶ながんとの闘病の末に人生の幕を閉じた。 妻、佳子(よしこ)さん(67)によると、一井さんは2010年にNHKを退職しNHK出版に勤務していた翌11年、腎臓がんを発症。13年には胆管がんを患った。それ以後、抗がん剤を服用していたが、一般社団法人・日本映画テレビプロデューサー協会の事務局長をしていた昨年12月、がんが肝臓に転移し手術を受けた。 体調が悪化した今年3月に再入院し、先月1日に自らの希望で退院。その後は埼玉県の自宅で静養していたが、先月14日午前10時25分、静かに息を引き取った。亡くなる前日には「どこも痛くないよ」と佳子さんにほほえみかけ、最期は達観していたようだという。 「日本酒などお酒好きは生涯、変わりませんでした。以前は飲むとタクシーにカバンを置き忘れたり、路上で寝て交番のお巡りさんに世話になったり…」と苦笑する佳子さん。しかし、晩年も女優、名取裕子(62)の主演舞台などの演出に情熱を傾けた。故人の遺志で葬儀は親族だけで済ませたが、コロナ禍が落ち着き次第、お別れの会を開く話もあるという。 入局以来、一貫してドラマの演出を担当。代表作は海老蔵を主役の剣豪・宮本武蔵に抜てきした03年の大河「武蔵 MUSASHI」をはじめ、朝ドラ「芋たこなんきん」(06年後期)など、枚挙にいとまがない。 濡れ場や残酷なシーンなど、度肝を抜く演出も得意。後輩やスタッフを大事にし、海老蔵には酒を酌み交わしながら助言していた。親しかった芸能人は唐沢寿明(57)、阿部寛(55)、遠野なぎこ(40)ら数知れない。放送中の大河「麒麟がくる」も「面白いねえ」と楽しみに見ていたという。一井 久司(いちい・ひさし)1951(昭和26)年9月14日生まれ。滋賀県高島市出身。東京外大外国語学部スペイン語学科を卒業後、NHK入り。根っからのドラマ好きで、人情の機微を描くためには脚本を手直しすることも。しかし、話し好きで人なつこい性格とあって多くの制作スタッフから慕われ、仲のいい芸能人も含め仲間たちは「一井組」と呼ばれた。

[紹介元] 「芸能社会」の最新ニュース – SANSPO.COM(サンスポ・コム) 海老蔵の“恩人”一井久司さん死去 元NHK名物プロデューサー