【コロナに負けない がんばろうニッポン!】松本零士氏、ネット誹謗中傷に「たとえ科学技術が進化しても、卑怯な行いだけはしてはならない」

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【コロナに負けない がんばろうニッポン!】松本零士氏、ネット誹謗中傷に「たとえ科学技術が進化しても、卑怯な行いだけはしてはならない」
松本ワールドでおなじみの愛猫「ミーくん(4代目)」を抱く松本零士さん。「他人を笑わず、助け合おう」と呼びかけた(零時社提供)【拡大】

 壮大な宇宙空間を舞台にして、限りある命と科学技術との共存の難しさを描いてきた漫画家、松本零士さん(82)。コロナ禍で様変わりする生活様式、インターネット上での誹謗(ひぼう)中傷などについて、率直に語った。(取材構成・丸山汎) テレワークなどで、生活様式が変わってきていますが、科学技術の進歩は人間を危うくするものでなく、守るためのものと信じています。 先頃、インターネット上での誹謗(ひぼう)中傷で若い女性が命を絶った、痛ましい事件がありました。 たとえ科学技術が進歩して時代が変わっても、卑怯(ひきょう)な行いだけはしてはならない。人を笑うと、やがて自分にもその悲劇がやってくる。みじめな行いで、いずれ自分が後悔する。誰に知られなくても、生涯、慚愧(ざんき)の念として自分の中に残っていきますよ。 生きることは辛いけれど、生きる手立てとは、互いに助け合うこと。その心が大切です。お金が全てじゃないんですよ。 若い皆さんにはこれからの日本を強い国にしてほしい。弱い国では駄目です。弱いとは武力ではありません。助け合う強い心を土台に持つ国にすることです。互いのために役に立たねばならないという信念。自分が生きることで人も助かる。人が頑張ってくれれば自分も助けてもらえるという共存の姿です。 新型コロナウイルスのために、日本では職を失う方が大勢おり、大不況も現実にやってくるでしょう。世界でも悲しいことやいろいろなことが起きていて、不安定です。人類はいま争っている場合ではありません。このままではわれわれは滅びてしまいます。だから、決して他者を笑ってはならないのです。 陸軍のパイロットで将校だった父は戦後、公職追放されました。父は黙々と大八車を引いて働きました。沖田十三艦長(宇宙戦艦ヤマト)やキャプテンハーロックは、そんな父がモデルです。いま父がいたら「ため息をつくな。明日のために頑張れ」と言うでしょう。若者たちには、他人を笑わず、ともに助け合い、強い国を作ってほしいと願っています。(漫画家)松本 零士(まつもと・れいじ) 本名・松本晟(あきら)。1938(昭和13)年1月25日生まれ、82歳。福岡県久留米市出身。9歳で漫画を描き始める。54年、小倉南高1年時に15歳でデビュー。卒業後に上京し、71年の「男おいどん」が出世作に。77年に公開された劇場版アニメ「宇宙戦艦ヤマト」が大ブームを巻き起こした。「銀河鉄道999」「宇宙海賊キャプテンハーロック」などは世界的にヒット。紫綬褒章、旭日小綬章、フランス芸術文化勲章シュヴァリエを受章。ペンネームの由来は「午前零時まで働く士(さむらい)」。妻は漫画家、牧美也子さん。

[紹介元] 「芸能社会」の最新ニュース – SANSPO.COM(サンスポ・コム) 【コロナに負けない がんばろうニッポン!】松本零士氏、ネット誹謗中傷に「たとえ科学技術が進化しても、卑怯な行いだけはしてはならない」