【ヒューマン】三遊亭金馬「死ぬまで落語」 最古参91歳、はなし続ける

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【ヒューマン】三遊亭金馬「死ぬまで落語」 最古参91歳、はなし続ける
 来年、噺家生活80年を迎える落語家、四代目三遊亭金馬(91)。今年9月に次男の三遊亭金時(57)へ金馬を譲り、金翁の二代目を名乗る親子襲名が控える。新型コロナウイルスの影響で寄席興行が難しい局面に置かれているが、第二次世界大戦下の東京大空襲や大病を乗り越えてきた落語界の最古参は、「大きな声で高座で話せるように毎日お経をあげています。死ぬまで落語をやるよ」とキッパリ。91歳でオンライン寄席に初挑戦するなど研鑽(けんさん)を積んでいる。(ペン・栗原智恵子、カメラ・蔵賢斗) 躍動する金の馬の絵が掛けられた自宅玄関に、金時と出迎えてくれた金馬の「いらっしゃい!」というしゃがれ声が響いた。 コロナ禍で外出を控える金馬は「コロナは、どこから誰が持ってくるのか分からないから困りますよね。あっという間に2日か3日で死ぬでしょう。戦争ももちろん怖いですよ。でもね、敵が来たってことは分かる。コロナは戦争よりも怖いですよ。私は薬を入れて、うがいや手洗いをしてるけど…。運だよね」と戦火をくぐり抜けた人にしか分からない言葉を口にした。 79年に及ぶ落語との出会いは、初代柳家金語楼のレコードがきっかけ。第二次世界大戦中の1941年、三代目金馬に弟子入りした。「戦争中、寄席は全然、休んでないんですよ。お客さんは空襲警報が鳴ると防空壕へ避難して、解除になると戻ってきていました」。時局にふさわしくないと上演を自粛した下ネタや浮気などを題材にする禁演落語もあったが、金時から「慰問では禁演落語の方が喜ばれたって言ってましたよね」と水を向けられ、「当たり前ですよ。みんな男なんですから」と豪快に笑った。 45年3月9日夜、東京・錦糸町の母の元に師匠の家から戻っていた15歳の金馬は、東京大空襲を体験。「いつもと違うプロペラ音のB29がサーチライトを浴びてよく見えて。おなか部分からバラバラっと焼夷弾を落とすのも見えた。錦糸町の駅に落ちて、火の粉が上がったとたんに爆風で家の窓ガラスが割れた」と凄惨な状況を語り始めた。
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[紹介元] 「芸能社会」の最新ニュース – SANSPO.COM(サンスポ・コム) 【ヒューマン】三遊亭金馬「死ぬまで落語」 最古参91歳、はなし続ける